「AI ホームステージング」プログラム特許取得のお知らせ
当社が研究・開発した、、画像生成 AI を活用し、部屋の構造やテクスチャーを維持しながら家具や装飾などのインテリアを配置したホームステージング※画像を自動生成する「AI ホームステージング」プログラムに関する特許を取得しましたことをお知らせいたします。
※ホームステージングとは:販売、賃貸募集中の住宅やマンションの室内を家具や照明、観葉植物などでモデルルームのように演出すること。
【「AI ホームステージング」プログラムについて】
画像生成 AI を活用しホームステージング画像を自動生成できるプログラムです。一般的な画像生成 AI で生成したホームステージング画像は、部屋の構造や間取りを無視した家具配置になってしまうという課題がありました。本プログラムではこのような課題を解決し、部屋の構造や間取り、設備などを維持しながら、家具や装飾などのインテリアを配置したホームステージング画像を生成することが可能です。
【特許の概要】
■登 録 日 : 2024 年 8 月 23 日
■特許番 号 : 特許第7542898号
■発明の名称 : 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
■特許の技術
画像生成 AI であるStable Diffusionに家具配置をしやすくするファインチューニングモデル(家具配置 LoCon)と間取り保持をしやすくするネットワーク(間取り保持 ControlNet)を組み合わせることで、部屋の間取りを保持した状態での家具配置を実現しました。また、さまざまなファインチューニングモデルを組み合わせることで、部屋スタイルに合ったホームステージングを可能にしています。
【特許取得の背景・今後の展望】
物件画像に家具等を配置し魅力的な室内をバーチャルで演出するホームステージング画像は、住まいを探す消費者に居住後のイメージを伝えることができるため、物件をアピールしたい不動産会社から近年注目を集めています。 しかし、ホームステージング画像は一般的に画像編集ソフトを使い手作業で作成することが多いため、作成に時間とコストがかかり、作業者にはインテリアコーディネートに関する知識やセンスが求められていました。一方で、近年の画像生成AIの発展により手軽に画像を生成できるようになりましたが、画像生成AIで生成したホームステージング画像には、部屋の間取りを無視した家具配置になってしまうなどいくつかの課題がありました。こうしたニーズと課題に対応するため、本プログラムを開発いたしました。
本プログラムにより、ホームステージング画像の制作コストと納品期間を短縮することができるほか、制作スキルがなくてもホームステージング画像を制作することが可能になります。また、1 物件に対してさまざまな部屋スタイルのホームステージング画像を提供できるため、不動産会社は消費者の家族構成やライフスタイルに合わせた提案をすることができます。
今後は、本プログラムを活用したサービス化を検討し、さまざまな不動産会社のお役に立てるよう活用の幅を広げ てまいります。
■アットホームラボ株式会社 アドバンストテクノロジー部 服部 翔
ホームステージングをAIで実現するため、画像変換や超解像に使われるGANを活用することからこの開発をスタートしました。しかし、なかなか満足のいくホームステージング画像をつくることができず、苦戦していました。
そんな中、画像生成AIが登場し、新しく興味深い技術が出てきた際にはまず自分で動かして検証することを心がけているため、すぐに試してみたところ、その発展性を感じました。画像生成AIの黎明期は、環境構築やエラー対応に苦労しましたが、次々と新しい派生技術が登場し、AIホームステージングに応用できるさまざまなアイデアが広がりました。
今回の特許技術は、これらの画像生成AIの派生技術を複数組み合わせたもので、そのシンプルさと強力さ、そして高い拡張性が特徴です。 今後も画像生成AIは発展し続けると思われますが、今回取得した特許技術をベースに、AIホームステージング をさらに進化させ、より良いものにしていきたいと考えています。
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